美女好きがピルロユーヴェを考察してみる(後編②:MF〜WG〜CF)
こんにちは、P.OCOTINGです。
昨日に続き、選手の役割と特性を考えてみるの後編②(MF〜WG〜CF)です。
前編と後編①のリンク先は以下参照。
【前編リンク先】
【後編①(GK〜CB〜SB】
- 6.CH(司令塔ロール)
- 7.CH(BOX TO BOXロール)
- 8.攻撃的MF(隙間産業ロール)
- 9.CF(ポストプレーと抜け出しロール)
- 10.CF(シャドーストライカー)
- 11.WG(オフザボール&ドリブラー)
- 本日の美女
- 最後に
基本陣形(攻)
基本陣形(守)
6.CH(司令塔ロール)
ダブルセンターの一角を担うこのポジションではよりレジスタ色(司令塔)が強くより静的な役割を担います。
ビルドアップ時は後方3バックと菱形を形成しつつ、ファーストプレッシャーをかわし、左右のワイドレーンへの散らし、前線への楔のパス、相手DFライン裏へのロビングパスなどピッチ全体への配給を行い、相手の陣形を縦横に間延びさせるスペースを作り出すことが求められます。
守備においてはハイプレス時に確実に刈り取れる時は前に出てインターセプト、相手が抜け出した時はディレイ対応、撤退時にはDFライン前のバイタルエリアを締める事が求められます。
【攻撃時に求められる特性】
・ピッチ全体を俯瞰する空間認識能力、視野の広さ
・相手のプレスに動じないキープ力
・正確なサイドチェンジや正確な楔のパスなど攻撃の方向性、流れを作るパススキル
【守備時に求められる特性】
・読みを活かしたインターセプト
・被カウンター時に味方に時間を与えるディレイ能力
・危険なスペースを未然に察知して埋める危機察知能力
【適正のある選手】
ベンタンクール、アルトゥール
ベンタンクールは持ち前の機動力の高さ、献身性によるハードワークに加え、直近の試合ではレジスタとしての役割を忠実にこなしてます。攻守におけるバランスの良さを考えると、攻守の切り替えが激しい試合での起用が好まれるでしょう。
アルトゥールに関してはロングパスによる展開やネガトラ時のポジショニングは改善点として残るものの、相手のプレスを無効化する圧巻のキープ力と二、三手先を考えるビジョン、攻撃の流れ、方向性を作る正確無比なショートパスというチーム内でも異質な能力の持ち主です。よりポゼッションを高めたい試合で起用が好まれるでしょう。
7.CH(BOX TO BOXロール)
ダブルボランチのもう一つの枠を担うこのポジションは戦局に応じて役割が変化しますが基本的には後方〜中盤〜前線をサポートするよりBOX TO BOX色が強い動的な役割になります。
ビルドアップ時には後方と司令塔をサポート、またファイナルサードが手詰まりの際は最前線に走り込み5レーン+1を形成し攻撃の厚みを作る役割を担います。
ボールロスト時には前線と連動してハイプレスを行い相手のパスの方向性を限定する役割、撤退時にはダブルセンターの一角としてバイタルエリアを管理し相手の侵入を許さない役割が求められます。
【攻撃時に求められる特性】
・攻守にピッチ全体をカバーできる持久力
・後方と前線を繋ぐ気の利いたポジショニング
・司令塔を補佐するパススキル
【守備時に求められる特性】
・ボールロスト時に前線と連動したプレスを行う守備意識の高さとポジショニング
・ハイプレス時のアジリティとボール奪取能力
【適正のある選手】
マッケニー、ラビオ、ベンタンクール
パワーやエネルギーが欲しい試合展開ではマッケニー、キープ力や推進力が欲しい試合ではラビオ、攻守の切り替えが激しいトランジションゲームには守備意識が高いベンタンクールなど三者三様の特徴をもっており相手の特徴やチームに加えたい特徴を鑑みながら試合毎に起用を決定する事となりそうです。
8.攻撃的MF(隙間産業ロール)
守備時はサイドに入り、攻撃時はビルドアップの協力しながら同サイドSBの攻め上がりを促しつつ、インサイドレーンまたは中央レーンに移動する可変式のもう1人の影のキーマンです。
前線2枚が自由にレーン移動するのに対して中央3レーンの空いたレーンを埋めながらチームの攻撃に調和と連動性を与える役割は地味ながら欠かせない働きをしており、数多の募集の結果「隙間産業」ロールと命名する事に致しました。
「隙間産業」のご提案を頂きましたSidさん、その他ご提案頂きました皆様、ありがとうございました。
また相手のファイナルサードではPAに飛び込み得点の機会を狙う事は勿論、アタッカー2人の為のスペース作りや相手CBを釣り出す囮の動きが求められます。
守備時にはボールロスト時にはチームのプレス要員として、撤退時にはサイドに入りブロック形成要員となる守備意識の高さが求められます。
【攻撃時に求められる特性】
・前線と相手の状況を見ながら走り込む空間認識能力と走力
・密集地帯でのキープ力
・前線の得点機会を創出するパススキル
【守備時に求められる特性】
・ボールロスト時に即時奪還に動く切り替えの意識の速さ、アジリティ
・4-4ブロックに組み込まれた際に相手にスペースを与えないポジショニング
【適正のある選手】
ラムジー、マッケニー、クルゼフスキ、ポルタノーヴァ
味方を活かし活かされるプレーのいずれもハイレベルでこなすラムジーは怪我の離脱さえなければこのポジションの筆頭格です。
特に密集地帯でのポジショニングとキープ力、クリエイティブなパスはチーム随一でありクオリティはずば抜けています。
マッケニーも本来のポジションではありませんがアスリート大国のアメリカから来ただけあり、無理な体勢でも攻撃の流れを止めないコーディネーション能力、質の高いフリーランで前線に厚みを作るなど戦局に応じた起用が増えそうです。
クルゼフスキのポテンシャルに疑いはありませんが、試合中に”迷子”になる事が散見する為、味方と連携したポジショニングの向上は改善の余地があります。
但し"左利きのデ・ブライネ"とも呼ばれる様に体幹の強さを活かしたドリブルによる局面打開力と創造性あるパススキルを考えるとラムジーの後釜は彼が収まる事を期待しています。
プリマ上がりのポルタノーヴァは抜け出しやシュート意識が素晴らしく怪我人が多数出た際のバックアッパーとして面白い存在になりそうです。
9.CF(ポストプレーと抜け出しロール)
このポジションが担う役割は奥行き作りと中央での起点作りになります。
相手DFラインと駆け引きをして裏を取る、中央で楔のパスを受けてチーム全体を押し上げるなど相手CBを常に引きつけ相手DFライン前後にスペースを作る仕事が求められます。相方のアタッカーに比べるとよりバーティカル(垂直方向)な動きが求められるでしょう。
また守備時にボールロスト時のプレスはもちろん、相手ビルドアップの方向性を誘導する働きも求められます。
【攻撃時に求められる特性】
・攻撃の起点となるポストワーク
・裏抜け勝負できるアジリティ
・コンビを組むアタッカーを活かす献身性
・クロスに合わせるヘディングの強さ、高さ
【守備時に求められる特性】
・相手ビルドアップを誘導するチェイシング
・442ブロックに組み込まれる事を苦にしない献身性
【適正のある選手】
モラタ、ディバラ、ロナウド
モラタにおいてはピルロユーヴェの軸となっており、求められる役割をこなしつつ、カウンター時の馬力ある運びなど+αを加えており申し分ないでしょう。改善点は精神面からくるパフォーマンスの不安定くらいでしょうか。
ディバラとロナウドもこの役割にトライしているものの、本来両者はセカンドトップ色が強く適切な役割とは言えない為、今冬の補強は急務でしょう。
10.CF(シャドーストライカー)
前編で触れた通りピルロユーヴェではこのポジションに置くロナウドのパフォーマンス、得点力を最大化する事を目的としています。
コンビを組むCFに比べるとレーン移動の自由が認められ、ホライズナル(水平方向)に動く事が出来ます。
または5レーン配置の基準点になる選手であり、この選手の動きと連動して他の4レーンを埋めるていると言えるかもしれません。
このポジションの最大の役割はチームの仕上げを担う事です。
【攻撃時に求められる特性】
・ゴール前での創造性、決定力
・スペースを見つける空間把握能力
【守備時に求められる特性】
・相手ビルドアップの方向性を誘導する守備意識とポジショニング
【適正のある選手】
ロナウドにこのポジション、役割を与える事を目的として作られたシステム、スタイルと言える為、やはりここの第一人者はFive times Ballon d'Orerのエースになります。
ディバラに関しては今はうまく機能していませんが、正確無比かつ強烈な左足に加え、独特の空間把握能力や神出鬼没なポジショニングなどシャドーストライカー的な役割も本来は得意な選手である為、ロナウドに代わりうまくはまる可能性があると考えております。
クルゼフスキやキエーザなどのアジリティに優れシュート意識が高い2人もこのポジションでうまくやれるだけのポテンシャルは持ち合わせているでしょう。
11.WG(オフザボール&ドリブラー)
ピルロユーヴェの中で幅と奥行きを取る為に欠かせないのがこのポジションです。
逆サイドのSB兼WBがよりビルドアップやクロス色が強いのに対して、このポジションではサイドライン際まで広がりながら相手のライン裏のスペースを常に狙う役割を担っております。
また押し込んだ際は相手陣内深い位置でカットイン含めたドリブルで仕掛ける事や、前線のアタッカー陣と連動しながら中央でクロスに合わせる役割も担います。
守備時には4-4ブロックを形成する為にサイドハーフの位置に入りますが、相手SBを勢いに乗せない為の守備力は必要となるでしょう。
【攻撃時に求められる特性】
・相手ライン裏を狙うオフザボールの動き
・深い位置の小スペースで相手を抜き去るアジリティとドリブルスキル
【守備時に求められる特性】
・ボールロスト時に即時奪還に動く切り替えの意識の速さ
・4-4ブロックに組み込まれた際に相手にスペースを与えないポジショニング
【適正のある選手】
オフザボールでもオンザボールでも持ち前のアグレッシブさがチームに好影響をもたらすキエーザは最適任者と言えます。
本職がWGでありスペースがなくても相手を抜き去るアジリティの持ち主であるクアドラードも最適任者の1人です。
クルゼフスキはオフザボールの質に改善の余地がありますが左利き右サイドオプションとして今後起用が増えそうです。
スペースがない所では窮屈そうにプレーするベルナルデスキはよりスペースがある試合展開やロングカウンター狙いのゲームで重宝されるでしょう。
本日の美女
それではお待たせいたしました。本日の美女のご紹介です。
本日の美女はAnastasia Chebulskaさん。
もうエルフですね。
最後に
ここまで長文お付き合いありがとうございました。
前編にて新政権における目指すサッカーとその目的を、後編ではそこからブレイクダウンして役割や特性を考えてみました。
しかしながら、直近の試合で披露されているサッカーは各ポジションの選手が試合中に様々な役割を交換、補完するサッカーが展開されており、より総合力の高いチームが構築されている印象を受けます。
現在の順位(1月3日時点暫定6位)は容認できるものではありませんが、新始動から約半年で質のパフォーマンスを見せており、シーズン後半、本気モードになったチームはさらに面白いサッカーを展開してくれる事でしょう。その時は改めて最新のユーヴェを見た上で考察記事を書いてみたいと思います。
ー参考ー
このチームの柔軟性、流動性の裏側には、footballista 1月号「FIGCの頭脳が導き出した1つの答え、戦術パラダイムシフトに適応した育成改革」でイタリア代表も導入する「インベーダー(スペースに侵入する役割)」と「コンストラクター(ビルドアップする役割)」というプレー原則があるそうです。(ピルロ体制の分析官ガリアルディ氏はイタリア代表と兼任)
こちらの記事はピルロユーヴェをより理解をするのに手助けしてくれるので、まだ読まれていない方はぜひどうぞ。
それではまた!
Forza Juve!!!