ダニエレ・ルガーニは動かない
『石の上にも三年』
古くから使われる言い回しであり、耐え忍べばいつか物事が好転することの例えであり、人生で誰しもが一度は聞いた言葉だろう。
もはや使い込み過ぎて擦りすぎた結果、現代社会人には響かない言葉になってしまったのではないだろうか。
しかしながら、この諺が生まれた極東の地から遠く離れたイタリアの地でこの諺が未だに有用である事を証明している1人のフットボーラーがいる。
その選手の名前は『ダニエレ・ルガーニ』だ。
ユヴェントスに所属する27歳のフットボーラー人生の大半はまさに石の上で三年、いやそれどころか5年以上待ったに違いない。
若くしてエンポリで頭角を表した若者は早くにイタリア最多スクデットの名門ユヴェントスに引き抜かれ、プリマヴェーラでプロになるためのイロハを学ぶ。
2013ー14シーズンには古巣のエンポリへレンタル。そこでイタリア屈指の戦術家マウリツィオ・サッリのもとで才能を開花させる。
警告も退場も一切なしという快挙を成し遂げると共にセリエAベストイレブンに若干20歳ながら選出され、次世代のアッズーリを担う存在として期待された。
トスカーナの地での活躍が認められ15-16シーズンからはユヴェントスに復帰。
カルチョ史上屈指の3バックであり、BBCと呼ばれたバルザーリ、ボヌッチ、キエッリーニから守備技術を盗むことで更なる飛躍を期待された。
しかしながら、若い彼にはあまりにも生ける伝説たちの壁は高すぎた。
元々、内向的で優しい性格だったルガーニはアッレグリからアグレッシブの足りなさを指摘され、また堅実性のある守備スタイルは良くも悪くも際立ったものがなく、それぞれの個性が抜群に突出し補完しあっていた偉大な3名からレギュラーを奪うには至らず、出場機会は限定的だった。
マッシミリアーノ・アッレグリの下で飛躍する事が叶わず、旧来の恩師であるサッリがユヴェントスの監督に就任した後も状況が変わることはなかった。
またティフォージから絶大な人気を誇ったレジェンドであるアンドレア・ピルロが就任したことは去就の決定打となった。
攻撃的なフットボールを標榜し、攻撃志向の強いタレントの才能を活かすシステムがディフェンダーに求めることはとにかく個の力で相手を止めることだ。
ルガーニの様な周囲との連携で組織の一員としてポジショニングと読みの良さで勝負するタイプの選手に居場所は無かった。
そして迎えた新シーズン、彼は5シーズンを過ごしたユヴェントスをついに離れた。
しかしその後、彼を待ち受けていた未来は決して輝かしいものではなかった。
レンヌにレンタルで放出されるもキャリア初の怪我に苦しんだ。
冬の移籍で出場機会を求めたカリアリでも怪我明けのパフォーマンスにキレはなく、満足いくシーズンを過ごすことは出来なかった。
彼は観光名所のお土産売り場で売れ残り埃をかぶった置物の様と同じで、そこにいるのに誰もある事に気づかない、手に取ろうとしない存在になってしまった。
それでも彼は待った。耐え凌いだ。
いつか状況が好転する事を信じ、子供の頃からの心のクラブに貢献するために。
そしてついに自らの出番に向けてひたすら準備を重ねてきた男がついに才能を開花させる。
2022年の年明けナポリ戦、ジョルジョ・キエッリーニとレオナルド・ボヌッチというレギュラーディフェンス陣の故障離脱に伴い、急遽回ってきた先発出場。
多くのサポーターたちが不安を抱え見守る中、彼は自らの存在価値を示した。
試合結果はチームが望むものではなかったが、難敵相手に示した自らのパフォーマンスにルガーニは手ごたえを感じたことであろう。
その後もシーズンで最もハードなスケジュールでもあった1月のローマ、インテル、ウディネーゼ、サンプドリアとの連戦でも相次いで高パフォーマンスを披露し、自信を深めていく。
そして迎えたミラン戦ではキャリアでも最高と言えるパフォーマンスでリーグ最強クラスのアタッカー陣を完封した。
特にミランのレオンとエルナンデスという走力で劣る相手に対してポジショニングと読みで再三に渡り決定機を阻止したプレーは彼の良さを凝縮したプレーであった。
ルガーニはフィジカルが決して優れている訳ではない。
その代わりに試合中、常にボールの位置、相手の位置、味方の位置を把握しながらゴールに結びつく決定的になりうるエリアを把握して細かく非常に丁寧にポジショニング修正を行う。
そして彼の最大の良さは複雑な状況でも最適な選択肢を選ぶ冷静な判断力だ。
アッレグリが守備で採用するマンツーマンとゾーンディフェンスのMIXスタイルは迫りくる人と危険なスペースの誰をどこを優先してつくべきか守るべきか常に頭をフル回転させて最善策を選択する事を要求する。
並みのディフェンダーであれば、試合中の心身の疲労と共に集中を切らし時間の計画と共に選択を間違えてしまうだろう。
しかし、ルガーニは常に冷静にその状況での最善策を選択する。
これはユヴェントス加入以来、偉大な3人のディフェンダーの後ろで、前任者たちのプレーを焼き付け、脳内で反芻し、ひたすら自らの出番に向けて準備をしていたものだからこそ出来るプレーだ。
ルガーニのキャリアはようやく始まったばかりだ。
ただひたすら自らの出番を待ち続けた男にしかできない円熟味あるプレーをひとりでも多くの人の目に焼き付けてほしい。
『乳の上にも三年』
耐え忍ぶ人生もそう悪くはないはずだ。
本作品はフィクションです。実際はそんなに活躍してない、話を盛りすぎだなどの批判はご遠慮いただきますようお願いします。
【本日の美女】
本日の美女はもちろんこの人。
ルガーニの奥様Michelaさん。
顔とボディの主張はかなり強めだが、旦那のキャリアには口を出さずに尊重し支える献身的な最高の奥様です。
美女好きがピルロユーヴェを考察してみる(後編②:MF〜WG〜CF)
こんにちは、P.OCOTINGです。
昨日に続き、選手の役割と特性を考えてみるの後編②(MF〜WG〜CF)です。
前編と後編①のリンク先は以下参照。
【前編リンク先】
【後編①(GK〜CB〜SB】
- 6.CH(司令塔ロール)
- 7.CH(BOX TO BOXロール)
- 8.攻撃的MF(隙間産業ロール)
- 9.CF(ポストプレーと抜け出しロール)
- 10.CF(シャドーストライカー)
- 11.WG(オフザボール&ドリブラー)
- 本日の美女
- 最後に
基本陣形(攻)
基本陣形(守)
6.CH(司令塔ロール)
ダブルセンターの一角を担うこのポジションではよりレジスタ色(司令塔)が強くより静的な役割を担います。
ビルドアップ時は後方3バックと菱形を形成しつつ、ファーストプレッシャーをかわし、左右のワイドレーンへの散らし、前線への楔のパス、相手DFライン裏へのロビングパスなどピッチ全体への配給を行い、相手の陣形を縦横に間延びさせるスペースを作り出すことが求められます。
守備においてはハイプレス時に確実に刈り取れる時は前に出てインターセプト、相手が抜け出した時はディレイ対応、撤退時にはDFライン前のバイタルエリアを締める事が求められます。
【攻撃時に求められる特性】
・ピッチ全体を俯瞰する空間認識能力、視野の広さ
・相手のプレスに動じないキープ力
・正確なサイドチェンジや正確な楔のパスなど攻撃の方向性、流れを作るパススキル
【守備時に求められる特性】
・読みを活かしたインターセプト
・被カウンター時に味方に時間を与えるディレイ能力
・危険なスペースを未然に察知して埋める危機察知能力
【適正のある選手】
ベンタンクール、アルトゥール
ベンタンクールは持ち前の機動力の高さ、献身性によるハードワークに加え、直近の試合ではレジスタとしての役割を忠実にこなしてます。攻守におけるバランスの良さを考えると、攻守の切り替えが激しい試合での起用が好まれるでしょう。
アルトゥールに関してはロングパスによる展開やネガトラ時のポジショニングは改善点として残るものの、相手のプレスを無効化する圧巻のキープ力と二、三手先を考えるビジョン、攻撃の流れ、方向性を作る正確無比なショートパスというチーム内でも異質な能力の持ち主です。よりポゼッションを高めたい試合で起用が好まれるでしょう。
7.CH(BOX TO BOXロール)
ダブルボランチのもう一つの枠を担うこのポジションは戦局に応じて役割が変化しますが基本的には後方〜中盤〜前線をサポートするよりBOX TO BOX色が強い動的な役割になります。
ビルドアップ時には後方と司令塔をサポート、またファイナルサードが手詰まりの際は最前線に走り込み5レーン+1を形成し攻撃の厚みを作る役割を担います。
ボールロスト時には前線と連動してハイプレスを行い相手のパスの方向性を限定する役割、撤退時にはダブルセンターの一角としてバイタルエリアを管理し相手の侵入を許さない役割が求められます。
【攻撃時に求められる特性】
・攻守にピッチ全体をカバーできる持久力
・後方と前線を繋ぐ気の利いたポジショニング
・司令塔を補佐するパススキル
【守備時に求められる特性】
・ボールロスト時に前線と連動したプレスを行う守備意識の高さとポジショニング
・ハイプレス時のアジリティとボール奪取能力
【適正のある選手】
マッケニー、ラビオ、ベンタンクール
パワーやエネルギーが欲しい試合展開ではマッケニー、キープ力や推進力が欲しい試合ではラビオ、攻守の切り替えが激しいトランジションゲームには守備意識が高いベンタンクールなど三者三様の特徴をもっており相手の特徴やチームに加えたい特徴を鑑みながら試合毎に起用を決定する事となりそうです。
8.攻撃的MF(隙間産業ロール)
守備時はサイドに入り、攻撃時はビルドアップの協力しながら同サイドSBの攻め上がりを促しつつ、インサイドレーンまたは中央レーンに移動する可変式のもう1人の影のキーマンです。
前線2枚が自由にレーン移動するのに対して中央3レーンの空いたレーンを埋めながらチームの攻撃に調和と連動性を与える役割は地味ながら欠かせない働きをしており、数多の募集の結果「隙間産業」ロールと命名する事に致しました。
「隙間産業」のご提案を頂きましたSidさん、その他ご提案頂きました皆様、ありがとうございました。
また相手のファイナルサードではPAに飛び込み得点の機会を狙う事は勿論、アタッカー2人の為のスペース作りや相手CBを釣り出す囮の動きが求められます。
守備時にはボールロスト時にはチームのプレス要員として、撤退時にはサイドに入りブロック形成要員となる守備意識の高さが求められます。
【攻撃時に求められる特性】
・前線と相手の状況を見ながら走り込む空間認識能力と走力
・密集地帯でのキープ力
・前線の得点機会を創出するパススキル
【守備時に求められる特性】
・ボールロスト時に即時奪還に動く切り替えの意識の速さ、アジリティ
・4-4ブロックに組み込まれた際に相手にスペースを与えないポジショニング
【適正のある選手】
ラムジー、マッケニー、クルゼフスキ、ポルタノーヴァ
味方を活かし活かされるプレーのいずれもハイレベルでこなすラムジーは怪我の離脱さえなければこのポジションの筆頭格です。
特に密集地帯でのポジショニングとキープ力、クリエイティブなパスはチーム随一でありクオリティはずば抜けています。
マッケニーも本来のポジションではありませんがアスリート大国のアメリカから来ただけあり、無理な体勢でも攻撃の流れを止めないコーディネーション能力、質の高いフリーランで前線に厚みを作るなど戦局に応じた起用が増えそうです。
クルゼフスキのポテンシャルに疑いはありませんが、試合中に”迷子”になる事が散見する為、味方と連携したポジショニングの向上は改善の余地があります。
但し"左利きのデ・ブライネ"とも呼ばれる様に体幹の強さを活かしたドリブルによる局面打開力と創造性あるパススキルを考えるとラムジーの後釜は彼が収まる事を期待しています。
プリマ上がりのポルタノーヴァは抜け出しやシュート意識が素晴らしく怪我人が多数出た際のバックアッパーとして面白い存在になりそうです。
9.CF(ポストプレーと抜け出しロール)
このポジションが担う役割は奥行き作りと中央での起点作りになります。
相手DFラインと駆け引きをして裏を取る、中央で楔のパスを受けてチーム全体を押し上げるなど相手CBを常に引きつけ相手DFライン前後にスペースを作る仕事が求められます。相方のアタッカーに比べるとよりバーティカル(垂直方向)な動きが求められるでしょう。
また守備時にボールロスト時のプレスはもちろん、相手ビルドアップの方向性を誘導する働きも求められます。
【攻撃時に求められる特性】
・攻撃の起点となるポストワーク
・裏抜け勝負できるアジリティ
・コンビを組むアタッカーを活かす献身性
・クロスに合わせるヘディングの強さ、高さ
【守備時に求められる特性】
・相手ビルドアップを誘導するチェイシング
・442ブロックに組み込まれる事を苦にしない献身性
【適正のある選手】
モラタ、ディバラ、ロナウド
モラタにおいてはピルロユーヴェの軸となっており、求められる役割をこなしつつ、カウンター時の馬力ある運びなど+αを加えており申し分ないでしょう。改善点は精神面からくるパフォーマンスの不安定くらいでしょうか。
ディバラとロナウドもこの役割にトライしているものの、本来両者はセカンドトップ色が強く適切な役割とは言えない為、今冬の補強は急務でしょう。
10.CF(シャドーストライカー)
前編で触れた通りピルロユーヴェではこのポジションに置くロナウドのパフォーマンス、得点力を最大化する事を目的としています。
コンビを組むCFに比べるとレーン移動の自由が認められ、ホライズナル(水平方向)に動く事が出来ます。
または5レーン配置の基準点になる選手であり、この選手の動きと連動して他の4レーンを埋めるていると言えるかもしれません。
このポジションの最大の役割はチームの仕上げを担う事です。
【攻撃時に求められる特性】
・ゴール前での創造性、決定力
・スペースを見つける空間把握能力
【守備時に求められる特性】
・相手ビルドアップの方向性を誘導する守備意識とポジショニング
【適正のある選手】
ロナウドにこのポジション、役割を与える事を目的として作られたシステム、スタイルと言える為、やはりここの第一人者はFive times Ballon d'Orerのエースになります。
ディバラに関しては今はうまく機能していませんが、正確無比かつ強烈な左足に加え、独特の空間把握能力や神出鬼没なポジショニングなどシャドーストライカー的な役割も本来は得意な選手である為、ロナウドに代わりうまくはまる可能性があると考えております。
クルゼフスキやキエーザなどのアジリティに優れシュート意識が高い2人もこのポジションでうまくやれるだけのポテンシャルは持ち合わせているでしょう。
11.WG(オフザボール&ドリブラー)
ピルロユーヴェの中で幅と奥行きを取る為に欠かせないのがこのポジションです。
逆サイドのSB兼WBがよりビルドアップやクロス色が強いのに対して、このポジションではサイドライン際まで広がりながら相手のライン裏のスペースを常に狙う役割を担っております。
また押し込んだ際は相手陣内深い位置でカットイン含めたドリブルで仕掛ける事や、前線のアタッカー陣と連動しながら中央でクロスに合わせる役割も担います。
守備時には4-4ブロックを形成する為にサイドハーフの位置に入りますが、相手SBを勢いに乗せない為の守備力は必要となるでしょう。
【攻撃時に求められる特性】
・相手ライン裏を狙うオフザボールの動き
・深い位置の小スペースで相手を抜き去るアジリティとドリブルスキル
【守備時に求められる特性】
・ボールロスト時に即時奪還に動く切り替えの意識の速さ
・4-4ブロックに組み込まれた際に相手にスペースを与えないポジショニング
【適正のある選手】
オフザボールでもオンザボールでも持ち前のアグレッシブさがチームに好影響をもたらすキエーザは最適任者と言えます。
本職がWGでありスペースがなくても相手を抜き去るアジリティの持ち主であるクアドラードも最適任者の1人です。
クルゼフスキはオフザボールの質に改善の余地がありますが左利き右サイドオプションとして今後起用が増えそうです。
スペースがない所では窮屈そうにプレーするベルナルデスキはよりスペースがある試合展開やロングカウンター狙いのゲームで重宝されるでしょう。
本日の美女
それではお待たせいたしました。本日の美女のご紹介です。
本日の美女はAnastasia Chebulskaさん。
もうエルフですね。
最後に
ここまで長文お付き合いありがとうございました。
前編にて新政権における目指すサッカーとその目的を、後編ではそこからブレイクダウンして役割や特性を考えてみました。
しかしながら、直近の試合で披露されているサッカーは各ポジションの選手が試合中に様々な役割を交換、補完するサッカーが展開されており、より総合力の高いチームが構築されている印象を受けます。
現在の順位(1月3日時点暫定6位)は容認できるものではありませんが、新始動から約半年で質のパフォーマンスを見せており、シーズン後半、本気モードになったチームはさらに面白いサッカーを展開してくれる事でしょう。その時は改めて最新のユーヴェを見た上で考察記事を書いてみたいと思います。
ー参考ー
このチームの柔軟性、流動性の裏側には、footballista 1月号「FIGCの頭脳が導き出した1つの答え、戦術パラダイムシフトに適応した育成改革」でイタリア代表も導入する「インベーダー(スペースに侵入する役割)」と「コンストラクター(ビルドアップする役割)」というプレー原則があるそうです。(ピルロ体制の分析官ガリアルディ氏はイタリア代表と兼任)
こちらの記事はピルロユーヴェをより理解をするのに手助けしてくれるので、まだ読まれていない方はぜひどうぞ。
それではまた!
Forza Juve!!!
美女好きがピルロユーヴェを考察してみる(後編①:GK〜CB〜SB)
明けましておめでとうございます、P.OCOTINGです。
連載シリーズのくせに前回投稿からお時間経ってしまい申し訳ございません。
前編「ピルロの目指すサッカー」に続き後編では「ピルロユーヴェにおける選手の役割と特性」を考察していきます。
※思いの外、記事量が多くなってしまった為、後編も①と②に分けて投稿したいと思います。長くなりますが、お付き合いいただければ幸いです。
【前編リンク先】
ピルロユーヴェにおける各選手の役割と特性
基本陣形
今シーズンの基本陣形は攻撃時は前線に5枚を並べる攻撃的なスタイル、守備時は4-4-2で異なるシステムを用いる”可変式システム”が特徴的です。
但し、あくまでシステムはシステムで、試合や場面によってはは5-3-2, 3-5-2, 3-1-2-4,3-2-5など実際のピッチでの配置は相手の陣形にも応じ常に流動さや柔軟さが見られます。
その為、今回の後編では前編で書いた「目指すべきサッカーとその意図」を踏まえて、配置の観点ではなく、各選手が監督から与えられた役割&特性と適正を考えていきたいと思います。
なお、今回の戦術ボード上の数字は実際の背番号とは関係なく、以下役割毎の説明とリンクさせております。
また、総合力の高いチーム作りを目指す現政権では各役割は起用される選手によって、左右入れ替わることも補足しておきます。
1.GK
ゴールキーパーに求められる攻撃時の役割はビルドアップの逃げ道となることです。
積極的にボール回しに加わることはありませんが、相手がハイプレスをかけてきた際にGKもボール回しに加わり”+1”の人数を確保して数的優位の状況を作りプレス回避の手助けをします。
また守備時は撤退時の味方DFと連携したポジショニングはもちろん、ハイラインを掻い潜られた際の1対1の対応がこれまで以上に求められるでしょう。
【攻撃で求められる特性】
・確実に次につなぐトラップ、パスの基礎技術
・相手プレスに動じず、パスコースを見つける冷静さ
【守備で求められる特性】
・1対1の局面でのシュートストップ能力
【適正選手】
シュチェスニーは安定感あるセービング、1対1の勝負強さに加え、後方でのボール回しを支える十分な足元スキルも持ち合わせており申し分ない選手と言えるでしょう。
ブッフォンも年齢を重ねて身体能力こそ落ちましたが、経験によるポジショニングと足元スキルは未だ向上しており、2ndキーパーに置くのは勿体ない選手です。
ピンソーリオは出番こそないものの、チームのムードメーカーとして務めるプロフェッショナルです。
出場機会が少ないからこそ腐らずチームを盛り上げる選手がいるから他のチームメイトのモチベーションも上げてくれる非常に貴重な存在です。
2.CB(ストッパーロール)
このポジションでは守備時にCBに入ることから、積極的な攻め上がりはせずに後方支援に回ることがメインです。
但し、自陣からのビルドアップ時には相手を引きつけてリリースする事で相手の陣形に歪みのきっかけを作ることが大事です。WBやボランチがボールを持った際に相手プレッシャーを回避、サポートする為のポジショニング、パスワークに加え、ドリブルでの運びが求められます。
加えて被カウンター時に備え、相手のアタッカーもケアする予防的マーキング、前方で刈り取るためのアグレッシブなディフェンスも必要となります。
【攻撃で求められる特性】
・相手プレスを引きつけ、味方にボールをリリースするドリブル、パススキル
【守備で求められる特性】
・被カウンター時に備える予測能力
・ハイラインを支えるボール奪取力
・ハイプレス回避をする相手ロングフィードを跳ね返す対空能力
【適正のある選手】
キエッリーニ、デリフト、デミラル
第一人者はカルチョのすいも甘いも知り尽くす老兵キエッリーニですが、イタリアサッカーに適合し、ビルドアップ能力も向上しつつあるデリフトはカピターノとほとんど遜色がないかもしれません。デリフトに足りないのは狡猾さと機を見た運びの部分くらいでしょうか。
オランダ代表の新星DF同様、特大のポテンシャルを持つデミラルは、ロジカル的な判断より本能が優先するシーンが目立つ為、三番手の位置付けです。課題はビルドアップ、運びの改善となるでしょう。
3.CB(カバーリング&配給ロール)
攻撃時に3バック中央に配置されたこのポジションでは最終ラインの”司令塔”としての役割が求められます。チームとして幅と奥行きを使う為に後方から左右のライン裏を狙うパスだけでなく、相手がサイドをケアする姿勢を見せれば、中央に楔を打ち込むなどピッチ全体を俯瞰して捉えたパス出しが欠かせません。
守備時はハイプレス時に相方CBが前に出る役割を担う為、カバーリングや陣形をコンパクトに保つためのライン統率の役割が求められます。
【攻撃時に求められる特性】
・後方支援する長短のパス精度
・ピッチ全体を俯瞰する能力、視野の広さ(姿勢の良さ)
【守備時に求められる特性】
・ハイラインを支えるライン統率
・ハイプレス時に生まれる広大なスペースに対応できる速さ
【適正のある選手】
ボヌッチは守備時の緩さとアジリティの低下が気になるものの、それを補って余りあるビルドアップセンス、前線への配給、ピッチの幅と奥行きを重視する現政権下で必要不可欠な選手と言えます。
デリフト、キエッリーニは攻撃時にボヌッチほどの貢献はありませんが、守備の安定を図る上ではセカンドオプション以上の存在となっています。
4.CB兼SB
攻撃時には3バックの一角に入り、守備時はSBに入る可変式を支える影のキーマンであり、逆サイドCBに比べるとより攻め上がりの機会が多くなるのが特徴です。
ビルドアップ時は相手の陣形を見ながら空いてるスペースへ移動しチームのパスワークや可変を潤滑にする仕事、相手を押し込んで前線が手詰まりな際は+1としての役割も求められます。
【攻撃時に求められる特性】
・後方から味方をサポートする正確なパスとポジショニング
・相手プレッシャーを剥がすドリブル
・相手陣形の穴を見つけ、攻め上がる機転の良さ
【守備時に求められる特性】
・ハイプレス時に生まれる広大なスペースのカバーリング能力
・撤退時にサイドで蓋をする対人能力
【適正のある選手】
ダニーロに関しては監督から求められる役割をパーフェクトにこなしてる言ってもいいでしょう。特に味方と相手の状況に応じて機転を効かせたポジショニングセンスが抜群です。
サンドロも今季は遅れてのスタートとなりましたが、SBながら対人能力は抜群の選手です。ダニーロとの使い分けは後述するWB、WGプレーヤーとの配置次第となるでしょう。
またピルロは純粋な3バック導入も試みており、本職はCBながら機動力も備えるデリフト、キエッリーニ 、デミラルがこの役割を担う可能性もあるでしょう。
5.SB兼WB
攻撃時に最前線まで駆け上がり5レーンを埋める役割を担うSB兼WBロールですが、逆サイドに配置されたワイドアタッカーがよりWG的な要素が求められるのに対してよりバランス重視の役割を担ってます。
逆サイドのWGが高い位置で幅と奥行きを取るポジショニング、高い位置での仕掛け、クロスに合わせる役割が求められるのに対して、ビルドアップへの貢献に加え、よりクロッサーのタスクが与えられていると言えるでしょう。
守備時にはSBのポジションまで撤退する事が求められますので試合を通じての上下動や守備でも最終ラインと連携してブロック形成する役割が求められます。
【攻撃時に求められる特性】
・ビルドアップに貢献できる正確なパススキル
・クロスを上げ切る為のドリブルスキル
・仕上げのクロス精度
【守備時に求められる特性】
・攻守に上下動する為の持久力
・撤退時にサイドで蓋をする対人能力
【適正のある選手】
クアドラード、サンドロ、ベルナルデスキ、フラボッタ
クアドラードはクロス良し、高い位置での仕掛けも良し、守備も依然として向上し、複数の役割をハイレベルでこなしておりチームに欠かせない選手の1人であり、最もこの役割に適した選手と言えるでしょう。
サンドロも近年なりを潜めていた攻撃力が新政権下で再評価されつつあり、相手を抜き切らなくても大外から上げられる弧を描く様なクロスなど今後存在感を高める可能性が高い選手です。
ベルナルデスキは今はWGの役割がメインですが、彼の持ち味であるダイナミックな仕掛けを活かす為に今後コンバートされる可能性があるでしょう。
アンダーから引き上げられたフラボッタもパス、クロス共に基礎技術の高さが窺え若手ながら安定したパフォーマンスが印象的な選手です。
(後編②につづく)
本日の美女
さて大変長いことお待たせ致しましたが今日の本題です。
本日の美女は人気モデルのTaylor Hillさん。かわいいも綺麗も両立してるダブルロールをこなせる素晴らしい美女さんですね。
新年初美女に相応しいTaylorさんでしたね。ぱちぱちぱち
それでは今年1年皆様にとって良い年になりますように。
Forza Juve!!!
美女好きがピルロユーヴェを考察してみる(前編)
お久しぶりです。P.OCOTINGでございます。
久々の美女活です。
今回はシーズン序盤戦の試合内容や選手、監督のコメントからピルロユーヴェの目指すサッカーとその狙い、各選手の役割と適性に関する考察を2回に分けて投稿したいと思います。
1. ピルロの目指すサッカー編(前編)
2. 各選手の役割と適正(後編)
今更感の話もあり長文にもなりますが、お付き合い頂ければ幸いです。
ピルロの目指すサッカー
理想像
まずは新監督の目指すサッカー、概要のおさらいをしてみます。
就任当初から、「ポジショナルプレー」「5レーン」「ボールを失った際の即時奪回」などキーワードが出回っており、大雑把な言い方をすれば”攻撃的かつ主体的なサッカーで相手陣内でプレーし多くの得点チャンスを作るサッカー”を標榜していると言えるでしょう。
特に攻撃時に最前線の5レーンを一人ずつ埋める攻撃的なサッカーを理想としています。
ピルロユーヴェの狙い
それでは"ポジショナルプレー"や"5レーン"のアイディアを導入すると言われる新生ユーヴェの狙いはなんでしょうか。
それは「クリスティアーノ・ロナウドの得点力の最大化」でしょう。
しかし言うは易く行うは難し。
これまで750回も相手ゴールネットを揺らした世界最高のゴールゲッターを獲得することに成功した老貴婦人ですが、特殊なプレースタイル故に前任者のアッレグリもサッリも最適解を見つけるには至りませんでした。
攻守のバランスを重視するリアリストのアッレグリはロナウドと守備のバランスに頭を悩ませ、11人の規定された細かいポジショニングにより美しい連携を見せるサッカーを志向するサッリは多動的なロナウドを扱いきれず、最終的に両者ともロナウドの活用を最優先とするクラブと袂を分つことになりました。
その様な中、選手として9連覇の礎を築き今季からベンチで指揮を振るうピルロのチーム作りは「ロナウドが自由を感じ、かつPA内でシュートを打てるスペース、状況を作れること」から逆算したチーム作りに取り組んでいると言えます。
ユーヴェとポジショナルプレー
ピルロのチーム作りの話をする前に、新監督が掲げる"ポジショナルプレー"について少し触れたいと思います。(ただし、ポジショナルプレーは複雑すぎて説明は少し自信がありません)
欧州各クラブが取り組む"ポジショナルプレー"については監督によって解釈の仕方や具体的な表現方法、共通する真の目的は相手の急所とも言えるスペースで"フリーマン"を創出することです。
"フリーマン"とは相手のマーク、プレッシャーから解放され、スペースと時間が与えられる選手のことです。
ポジショナルプレーを昨今のフットボール界に流行させたペップグアルディオラはバルサではメッシ、バイエルンではロッベンやコスタ、シティではサネなどの個の能力が高い選手をフリーマンにする為の仕組みを作ってきたと言われてます。
コンテ時代のユーヴェにおいても当時はポジショナルプレーというワードこそ出てこなかったものの、ピルロやボヌッチの長短のパスを織り交ぜ相手の陣形を押し広げ、歪みを作り、攻撃時に4トップ化とも言える前線のポジショニングにより相手のDFラインの注意、ポジションを引きつけて、空いたスペースに二列目からフリーマンとしてビダルやマルキージオの走り込みを活かしたサッカーも実はポジショナルプレーの要素が随所に散りばめられていたと思います。
尚、昨シーズンまで監督を務めたサッリもポジショナルプレーの導入を目指しましたが、選手とのコミュニケーションに課題もあり最後まで選手を想い通りのポジションでコントロールすることができずに上手く機能する事はありませんでした。
そして影響を受けた監督にグアルディオラやコンテを挙げるピルロも配置により敵陣にスペースを作り出すポジショナルプレーのアイディアを用いてチームで最も個の能力が優れたロナウドがペナルティエリア内でフリーマンになる、相手の急所となるエリアにロナウドを走り込ませる仕組み作りに取り組んでいると思われます。
ロナウドの特殊なプレースタイル
さて本題に戻りつつ、その前にポルトガル代表スターの特殊なプレースタイルについても触れたいと思います。
彼の特殊なプレースタイルについて私見は次の通りです。
①ボディビルダー並みの肉体美の持ち主ではあるが、実はコンタクトプレーはそれほど好まない(特に相手を背負ったプレー)
②ボールに沢山触れたがり、自由に動き回る事を好む
③ペナルティエリア内、付近で相手DFの死角に入り込む抜群の動きの質、及び5〜10mの短距離でのアジリティを活かした走り込みや跳躍に強み
④もしくは相手との1対1から一瞬のキレで相手DFを交わすシュートも強み
⑤継続的な守備参加はしない(守備強度は期待できない)
上述の条件を言い換えると「純粋なWGの様にサイド固定は強みを発揮できず、純粋なCFの様に相手DFを背負うポストプレーや中央に留まりながら相手を引きつけ、味方にスペースを与えるプレーも好まない。ペナルティエリア内、付近の空きスペースに走り込ませることで得点力が最大化する選手」と言えます。
ロナウドを活かす為のスペース作り
それではどのようにロナウドを活かす為のスペースをペナルティエリア内、付近に作れるのでしょうか。
そこでポイントとなるのが、”奥行き”と”幅”です。
ピルロが攻撃時に3-2-5 とも言える前輪駆動ともシステムを採用する訳はここにあります。
奥行き作りにはCFとWG、中盤の選手が絶えずディフェンスラインの裏をつき相手DFラインを押し下げるプレーが欠かせません。
幅作りにはWBとWGが高い位置でサイドライン近くまでポジションを取ることで相手DFラインを横方向に間延びさせることが必要となります。
その後方で2ボランチや3バックは相手ファーストプレッシャーを引きつけながらボールを左右に散らし、隙を見て縦方向に楔のパスを入れたり、状況を見てポジションをあげて前線をサポートしたり、相手の陣形のバランスを崩すことが求められます。
ここはアッレグリの言う「閉まったドアから無理やり攻めるな」の考えが必要となります。
左右前後に相手を揺さぶり、相手の陣形、視野を乱れさせ、急所(スペース)を作り出す。
相手ゴール前にスペースさえ作り上げることができれば多彩なゴールパターンを持つロナウドに仕上げてもらうだけ、となります。
特に両サイドが相手陣内の深い位置からマイナスのクロスを上げる事が出来れば、DFはボールと相手を同一視野に入れる事がより難しく為、得点はより容易になるでしょう。
マドリー時代のロナウドにユーヴェがよくやられたパターンですね。
なお、マドリーではマルセロとカルバハルが幅を取り、ベンゼマが奥行きを作り出し、モドリッチやクロースがサイドチェンジやスルーパスを織り交ぜることで急所を作り出しロナウドが得点を取る為の下地作りをしていたのだと思います。(たぶん)
5レーンの活用
また攻撃時に"5レーン"の考えを導入することで自由なポジショニングを好むロナウドとの他の選手の関係性を整備しているのも特徴的です。
※5レーンとはピッチを縦に5分割した際にできる左ワイドレーン、左ハーフスペース、中央レーン、右ハーフスペース、右ワイドレーンの総称です。
攻撃時には両ワイドにWG(キエーザ)と攻め上がったSB(クアドラード)が幅を取り、中の3レーンをモラタ、ロナウド(ディバラ)、クルゼフスキ(ラムジー)で埋める形が基本形とはなりますが、同じレーンでのポジションの重複を避けるという原則に基づき、ロナウドのポジショニングに呼応する様に他4選手が別の4レーンを埋める手法をとっております。
またこの原則さえ守ればボランチの選手も前線に飛び込むことが許容されており、志向する理想はありながらも選手の特性を見ながらも調整を入れるバランスの良さも垣間見せております。
この様にあらかじめ決められたルールを作ることで、ロナウドのスペースを見つける眼、瞬時に相手を振り切る質の高い動き、自由で捕まえづらいポジショニングをより活かしていると言えます。
制約があるからこそ自由がある
というやつです。
尚、ロナウドの為のシステムと冒頭に書きましたが、ディバラやクルゼフスキ、ベルナルデスキ、キエーザなどの創造性あるアタッカーもこのシステムの利益を享受できるはずですが、中央で裏取りも出来、ポストプレーでも身体を張り、相手CBを引きつける事が出来るモラタは欠かせない存在となっております。
守備のフェーズについて
ピルロユーヴェでは敵陣では人につくマンツーマンを活かしたハイプレス、自陣深い位置に徹底した際はボールを基準にポジショニングを規定するゾーンディフェンスをベースとした4-4-2守備ブロックを守備の基本しております。
強度の違いはあれどアッレグリ時代の守り方と似ているかもしれません。
但し、自陣でも選手の特性によりマンツーマンに切り替える、相手の攻め込み具合によって5-3-2に変化するなど柔軟な対応が見られます。
これはウディネーゼなどで3バックシステムを採用して強固な守備を築き、今季からアシスタントコーチに就任した元OBのトゥドールの貢献があるかもしれません。
また前述の通りロナウドの積極的な守備参加には期待できない為、前線の2枚に組み込むのが彼にとってもチームにとっても一番負担が少ない方法と言えるでしょう。
今後の課題
開幕10試合ほどのセリエAですが、さすが対策のリーグと呼ばれるだけあり、老貴婦人対策で532を使用してサイドと中央の使いたいスペースを未然に埋めてくるチームが多くなって来ました。
サッリ政権下でも532の攻略に苦しんだ記憶がチラつきます。
一度引かれた532ブロックを崩すのは容易ではありませんが、サイドチェンジを上手く使い相手3センター横のスペースを突く事が大事になりそうです。
14/15のCL決勝では532で守るユーヴェでしたがメッシのサイドチェンジを起点に見事に崩されました。
あれが532攻略の一つの有効策と言えるでしょう。
また3バックの左右のCBやダブルボランチの攻め上がりなどでアクセントを付けることも必要となりそうです。
守備に関しては前線のプレッシング時に簡単に交わされ、中盤にできた空洞で相手が簡単に前を向くケースが散見され、ポゼッション時の守備の予防的マーキングやプレッシングに切り替えた際の2~3手先を読んだポジショニングが今後の改善点になります。
各選手の役割と特性について
後編では本日話した大枠、概要に基づき各選手の役割と特性について考察を落とし込んいきたいと思います。
本日の美女
さて前置きが長くなりましたが本題に移りたいと思います。
本日の美女は超のつくセレブモデルのKendal Jennerさん。
美女を見ると個の力の重要性を感じざるを得ませんね。
それではまた後編で会いましょう。
Forza Juve!
■参考文献
(1)結城康平、欧州サッカーの新解釈。ポジショナルフットボールのプレーのすべて(2019)
(2)schumpeter、footballista 2020年9月号「目指すのはポジショナルプレー。論文から読み解くピルロのサッカー観。
(3)片野道郎、footballista 2020年9月号「最新トレンドの詰め合わせ。早くも明らかになった“ピルロのユべントス”の方向性」
(4)結城康平、foorballista 戦術用語辞典「ポジショナルプレー」
(5)ジェホ、白黒と共に(URL:https://note.com/azurijeho)
以上
週末のあれこれ(リヨン戦〜サッリ解任〜ピルロ就任〜フロントへの愚痴)
こんばんは、おこたんです。
週末のあれこれを一気に振り返りましょう。
1.リヨン戦
さて、リヨン戦の敗戦を振り返る間もなく、ユベンティーニには怒涛の週末でした。
まずリヨン戦は2-1で勝利するも、AG差で敗退。
主軸のディバラを欠く中、結局ロナウド頼みでしかどうする事もできなかったユーヴェよりもチーム全体でコンパクトさを保ち耐え切ったリヨンが次ラウンドに進んだことは当然と言えましょう。
ということで、あっけなく19/20シーズンも終了。
2.サッリ政権の始まりと終焉
なんとか9連覇達成したものの、新政権の下、課題が多く残るシーズンとなりました。
個人的に一番気になったのは脆い守備。
サッリボールやサッリズモといった言葉からナポリ時代に見せた華麗なボール回しに期待が寄せられたサッリ政権でしたが、守備が安定しないことには守備面で体力を削られてしまい、試合終盤にかけてズルズルとラインを下げてすり潰されることがほとんど。
サッリも守備の安定にあれこれ頭を悩ませてたのはシーズン通して感じられましたが、
前線からのチェイシングの強度が低く、少しずつ生まれる守備の綻びは強豪相手には全く通用しないことが明らかになりました。来季に向けては華麗なフットボールなど語る前にまずは守備の立て直しから入ってほしいところです。
とかなんとか思ってた矢先に発表されたサッリの解任。
スクデットも獲ったのになんと無慈悲な、、、
という決断でしたが、流れてくる情報を下にするとサッリの振る舞いや言動に共感ができない選手が多く、クラブとしてこのままサッリと冒険を続ける事はリスクが高いと判断したのでしょう。
サッリ自身は素晴らしい監督ですが、11人が同じベクトルで攻守に阿吽の呼吸で動いてこそ初めて機能するいわば芸術品のようなサッカースタイルであり、一人でも自由に動く選手がいると途端に崩れる繊細なスタイルでもあります。
ユーヴェを離れても、他のクラブでまだまだ魅力的なサッカーを展開してくれることでしょう。ひとまずお疲れ様でした。
世界中が度肝を抜かれた9連覇の礎を築いたレジェンド、ピルロの監督就任。
個人的には監督経験のない人にいきなりチームの全責任を負わせるのは大反対。
しかしながら、現役時代のピルロのカリスマ性やインテリジェンス、名将の下で積んだ数々の経験を思うとひょっとしたらなんとかしてくれるのでは?という想いがあることも事実。
いまは、チームのレジェンドがどのような形であれ、チームに戻ってきたらサポートするのみという想いです。
4.昨今のフロントの所業について
一方で、フロントの仕事ぶりについては否定的な感情を持たざるを得ません。
特に最近の一貫性のない仕事ぶりが酷い。
能力重視で機能性など後回しのアンバランスなスカッド構成に、ロナウド獲得により毎年のように発生するキャピタルゲイン作りでの獲っては売って獲っては売って。
(左利きのアタッカーに固執する性癖はどうにかならないのか、、、)
必要性よりも自らの凄さを世に示したいかの様な補強戦略で”投資した金額”>”実際のチームのパフォーマンス”といった有り様。
以前までの限られた予算で最大限に知恵を絞り、一人一人の選手に信頼を寄せることでチームの能力を最大化させていたユーヴェは見る影もありません。
加えて、今回のサッリの解任という忍耐のなさ。”魅力的なサッカー”というざっくりとしたくくりでサッリを選んだのではないかというほどに事前の査定が甘かったことを世に示してしまうと共に、アッレグリ、サッリといった監督を2期連続で実質更迭。
仁義もないもない今回の監督更迭はクソくらえ。
さらに今回のピルロ就任にしても、10日前まではU23監督就任が発表されていたのに、トップチームへの就任発表をするということは今のクラブには中長期の戦略がなく、場当たり的なクラブ運営をしているのではと疑ってしまうほど。
といろいろネガティブに捉えてしまう一方で、なんだかんだ9連覇を成し遂げた経営陣であり、クラブとしても前人未到の領域に突入している中で、これまでの常識に従ったクラブ運営をしてても成長が見込みないと誰よりも感じているのでしょう。
確かにアッレグリ政権はマンネリ化が見え、その時に市場に出てた監督も超トップクラスの監督はすでに所属クラブと良い関係にあり、引き抜きは困難だったことを考えれば、選択肢が限られていたのも事実ですから、難しい状況での仕事なのは間違いありません。
ピルロの就任をアニエッリのワンマンで選んだところなど、組織運営としてどうなのというところはありますが、誰よりもトリノの巨人を愛する会長と愉快な経営陣たちをもう少し見守りたいと思います。
本日の美女
本日の美女はMollyさん。
ストレスが溜まった時は美女を眺めらのが1番ですね。
それではまた!
Forza Juve!